妊娠中運動をするメリットと留意点

今回の記事では妊娠中運動を行うメリットと留意点についてお話ししていきます。
「そもそも運動ってしていいの?」
「もしするとしたらいつから始めればいいの?」
「なぜ運動はしたほうがいいの?」
こんな疑問をお持ちの方の参考になればと思います^ ^

目次

妊娠中の運動のメリット

妊娠中の運動について「妊娠過程が正常」である場合メリットが多くあります。

心身のリフレッシュ

妊娠中大きくなっていくお腹に対して姿勢も変化していきます。
妊婦さん特有の姿勢は腰や首肩まわりなどカラダに負担が大きくなります。
「同じ姿勢でいること」がカラダを硬くします。
日常生活の動作では動きも限られてきますが、運動を取り入れることで様々な動作をするためカラダのリフレッシュになります。
また運動をするということは「思考のリセット」にもなります。
心配事や考え事でここをが疲れてしまう前に、カラダを動かしてリフレッシュリラックスがおすすめです。

妊娠中の運動はがっつり動きたい気持ちもあるかと思いますが「スッキリしたー!!」と思える強度にしましょう。

分娩・産後へ向けた準備

初産婦さんの場合個人差はありますが分娩(分娩は細かく分けると3期に分かれます)にかかる時間は11から15時間と言われています。

分娩第1期
(陣痛が起きて子宮口が全開になるまで)
分娩第2期
(胎児の頭が出て出産するまで)
分娩第3期
(胎児出産後の臍帯/胎盤が出るまで)
初産婦10〜12時間2〜3時間15〜30分
経産婦4〜6時間1時間程度10〜20分

分娩だけでもかなり体力を消耗するものですがその後始まるのが育児です。
赤ちゃんの授乳リズムに合わせた睡眠時間や活動時間を考えると体力勝負になってきます。
妊娠中も運動をすることによって体力レベルを上げておくことができ、分娩・産後に備えることができます。

産後の運動復帰・習慣化

妊娠中増えた体重や崩れた姿勢を改善したいと思う方がほとんどだと思います。
産後の運動に関しては個人差がありますが産褥期を終えた産後2ヶ月から始めるられます。
今まで運動習慣がなかった方は産褥期を過ぎても体力的に運動を始めるのがキツく感じる可能性があります。
妊娠中から運動を始めることで産後の運動復帰がスムーズに行えます。
「産後を見据えて妊娠中に運動をする」ことはとても大切です。

妊娠中運動をする場合の注意点

妊娠中誰でも運動をしていいとは限りません。
運動を始める前に下記の内容を確認をしましょう。

医師の許可が必要

妊娠中の運動をする場合必ず必要なのがこの医師の許可です。
医師の許可が出るのも妊娠16週以降のいわゆる安定期からとなります。

母児の条件

以下「日本臨床スポーツ医学会産婦人科部会」のサイトを参照。

  1. 後期流産・早産の既往がないこと
  2. 偶発合併症、産科合併症がないこと
  3. 単胎妊娠で胎児の発育に異常が認められないこと
  4. 妊娠成立後にスポーツを開始する場合は、原則として妊娠12週以降であること
  5. スポーツ終了時期は異常が認められない場合には特に制限はない

運動禁忌

下記の症状がある場合は妊娠中の運動が禁忌となります。

絶対的禁忌相対的禁忌
心疾患
破水
早期の陣痛
多胎(双子〜)
出血
前置胎盤
頚管無力症
3回以上の自然流産
高血圧
貧血または他の血液疾患
甲状腺疾患
糖尿病
動機または不整脈
妊娠末期の骨盤位(逆子)
極端な肥満/極端な痩せ
早産の既往
子宮内発育遅延の既往
妊娠中出血の既往
極端に非活動的な生活習慣

妊娠期の姿勢と分娩に与える影響

スウェイバックとロードシス

お腹が大きくなることで姿勢の変化が出てきます。
また妊娠すると分泌される「リラキシン」というホルモンの影響で関節に緩みが起こります。
子宮の増大や体重の増加に伴い骨盤は次第に前傾(前に倒れること)が強くなりいわゆる反り腰になります。
【ロードシス(骨盤前傾反り腰)】と【スウェイバック(寄りかかり反り腰)】の2つに分けることができます。

ロードシス(反り腰)

脊柱 (背骨)のS字カーブが強くなり腰が反っている姿勢。
腿の前側の張りが強くストレッチが苦手。
臀部やもも裏の筋力の弱化が考えられる。

スウェイバック(寄りかかり反り腰)

足元に対し骨盤が前方向へスライドしている。
上半身は寄りかかるように後ろに倒れているが頭部は前に出ている。

本来あるべき姿勢から崩れることで起こる分娩への影響は何が考えられるでしょうか?

分娩の3要素

分娩は3つの要素から成り立ちます。

  1. 娩出力…陣痛・腹圧(いきみ)・呼吸
  2. 産道…骨産道(骨盤)・軟産道(膣・会陰)
  3. 娩出物…胎児

この3つの要素を整えることがスムーズなお産につながると言われています。

姿勢改善と分娩

妊娠時に姿勢が崩れることで上記で挙げた「産道」を崩すことに繋がります。
逆を言えば姿勢を整えからだの使い方を覚えることがスムーズなお産に繋がります。
赤ちゃんが産まれやすい環境をママが用意することができるのがマタニティトレーニングを行うメリットです。
また、姿勢を整えることで腰痛や肩こり、呼吸のエラーなどの改善もすることができます。
インナーマッスルを使った深い呼吸ができる姿勢(アライメント)がスムーズなお産への道です!

吉田裕理

深い呼吸ができると「娩出力」はUPします。
呼吸筋(インナーマッスル)を使えていると深い呼吸をすることができます。
現代人は呼吸がとても浅いです。
妊娠前から呼吸のアプローチをすることはとても大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
妊娠中の運動はリフレッシュや産後の回復力を高める以外にも分娩にも役立つことお分かりいただけましたでしょうか?

妊娠期の姿勢改善は快適なマタニティ期間スムーズなお産、そして産後の回復に繋がる!

ただあくまでも「妊娠過程が正常である場合」です。
運動を始める場合は必ず医師の許可をとり体調に無理なく始めましょう。
そしてマタニティを導入しているジムを選ぶことをお勧めします。
ジムのみならず「マタニティピラティス」を導入している施設もお勧めです。
一人でやるのではなく専門家の元始めましょう。
快適なマタニティ期間とお産、そして産後の回復に向けていかがでしょうか?

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